ワインコラム_バックナンバー

ANAショッピング A-style ワインコラム

第26回 「家庭料理(中華)とのマリアージュ」

前回までに家庭の和食、洋食と合わせるワインをご紹介させていただきました。今回のテーマは家庭の中華料理に合わせるワインです。本題に入る前に、まずは中華料理と中国料理との違いについてご存知でしょうか?これは前回のコラムで触れた洋食と西洋料理との関係に似ています。洋食がフランスやイタリアなどの西洋料理を日本で独自に発展させた料理であるように、中華料理は本場の中国料理を日本人向けにアレンジした料理と言われています。焼き餃子やラーメン、チャーハンが代表的ですね。麻婆豆腐や回鍋肉、エビチリなどは中国料理ですが、こちらもアレンジが加えられ、今や家庭の中華としても定番ですね。

中国料理は広い中国の中で地方によって全く異なるスタイルが存在しており、日本にあるレストランでも、四川料理の専門店であったり、広東料理の専門店であったりと分かれています。数多ある中国料理に合わせるワインを考えるのは、ソムリエにとって大変な仕事であると同時に大きな楽しみでもあります。料理とワインを合わせるポイントの1つは、和食でも洋食でも中華でも同様で、共通点を合わせる事です。ピリ辛な麻婆豆腐にはキメの細かい泡とキリッとした酸味のスパークリングワイン、カニ玉にはふくよかな質感のシャルドネ、そして東坡肉、回鍋肉、青椒肉絲、餃子などお肉を使ったしっかり目の味付けで、少しスパイシーなニュアンスを持った料理には、ボリューム感とスパイスのニュアンスがある赤ワインがお勧めです。料理とワインに共通するこの要素が、それぞれをしっかりと結び付けてくれます。その日の献立に合わせてワインを選ぶのも、ワインの楽しみ方の1つですね。

A-styleワインアドバイザー
佐藤ソムリエ

<プロフィール>
都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。

(社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ

第25回 「家庭料理(洋食)とのマリアージュ」

前回の家庭の和食と合わせるワインに続き、今回は家庭の洋食と合わせるワインがテーマです。洋食は広い意味では西洋料理から西洋風の料理全般を指しますが、ご家庭で楽しまれるのはどちらかというと日本で独自に発展した西洋風の料理というイメージでしょうか。ハンバーグやビーフシチュー、ホワイトシチュー、シーフードグラタンなど、ホッとさせてくれる料理が沢山ありますね。そんな家庭の洋食と合わせて美味しいのはどの様なスタイルのワインでしょうか?

料理とワインを合わせるポイントはいくつかありますが、専門的な知識がない方でも参考にしていただけるのが、色を合わせる選び方です。魚には白ワイン、肉には赤ワインというイメージがありますが、このイメージ通りにワインを選んでしまうと、思わぬミスマッチが生まれてしまうことがあります。例えばお肉を使ったシチューでも、鶏肉を使った優しい味わいのホワイトシチューと、牛肉を使った濃厚なビーフシチューでは合わせるワインも全く違ってきます。肉料理だからといって、ホワイトシチューにパワフルな赤ワインを合わせると、それぞれの味わいが反発してしまいます。ここで色合いから合わせるという発想が活躍します。ホワイトシチューは鶏肉を使っていますが、その名の通り見た目の色は白です。白や黄色の見た目の料理には白ワインを合わせてみてください。例えば、樽のニュアンスがあり、ふくよかな口当たりのナパのシャルドネなどは、ホワイトシチューにも合いますし、バターでソテーした魚料理などにも相性が良いです。見た目が濃い、もしくは暗い色合いのビーフシチューにはボリューム感があって濃厚な赤ワインが好相性となります。色であわせるマッチングを、ご家庭の洋食と合わせて是非お試しください。

A-styleワインアドバイザー
佐藤ソムリエ

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都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。

(社)日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ

第24回 「家庭料理(和食)とのマリアージュ」

ここ30年で日本のワイン消費量は約3倍以上に増加しています。かしこまったレストランだけでなく、居酒屋などでも気軽にワインが楽しまれるようになり、ご家庭でもワインを飲む機会が増えたのではないでしょうか。ご家庭で食事と一緒にワインを楽しむ際にちょっとしたポイントを押さえていただくことで、食事もワインもより一層美味しくいただくことが出来ます。今回は特にご家庭の和食との相性をご紹介します。

具体的な料理とワインのマッチングを考えてみましょう。まず塩でいただく天ぷらにお勧めなのは、ニュージーランド等で造られるソーヴィニョン・ブランです。ワイン自体が持つ柑橘のニュアンスがシンプルに仕上げた天ぷらのアクセントとなります。他にも、スダチを絞った焼き魚とも相性が良い品種です。焼き魚の心地良い苦味とスダチの爽やかな酸味が、ソーヴィニョン・ブランの個性と重なることにより素晴らしい相性となります。

とんかつの様に塩でもソースでも楽しめるお料理は、味付けによってワインも変えてみましょう。塩でいただく場合は、先程の天ぷらと同じ要領で、柑橘のニュアンスと若干の塩気が感じられるオーストリアのグリューナ・フェルトリーナーが抜群の相性を見せてくれます。一方、ソースの場合は、ソースの甘辛さに合わせて、同様の要素を持つボリューム感と果実味のある赤ワインがお勧めです。ご家庭の和食にポイントを押さえた様々なワインを合わせて、新しい発見をお楽しみください。

A-styleワインアドバイザー
佐藤ソムリエ

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都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。

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第23回 「鍋と楽しむワイン」

冬になると美味しい食材が沢山登場します。中でも一度に色々な食材を楽しむことができる鍋は冬のご馳走の代表と言えるのではないでしょうか。皆さんは鍋を食べる時、どんな飲み物と楽しみますか?ビールも美味しいですし、日本酒もいいですよね。では、ワインはいかがでしょう?鍋とワイン、あまりイメージは湧かないかもしれませんが、上手にワインを選ぶと思いもよらないマッチングを楽しむことができます。

例えば水炊きには、鶏がらから丁寧に仕上げた濃厚なスープの味わいに合わせて、少し樽のニュアンスがあり、ほんのり柑橘の香りがするシャルドネが良く合います。旬の魚介をふんだんに使ったカニ鍋や海鮮鍋はどうでしょう?ポイントになるのは、魚介の旨みとミネラル感です。具材や出汁の持つ要素に合わせて、旨みとミネラルを感じられるスパークリングワインやシャブリなどの白ワインと素晴らしい相性です。

もちろん赤ワインも活躍してくれます。甘辛い割り下でいただくすき焼きには、果実味がしっかりとしたボリューム感のあるフルボディがお勧めです。美味しく仕上がった牛肉との相性は疑う余地がありませんね。魚介のトマト鍋には、トマトの心地良い酸味に合わせてロゼのスパークリングというのも面白い組み合わせですし、ブイヤベースのイメージで、南仏のロゼもバッチリ合います。

鍋を構成する味わいの要素に注目して、同じ要素を持つワインを選んでいただくことが、鍋とワインを楽しむキーポイントです。みんなでワイワイと鍋を食べるシチュエーションでは、異なるタイプのワインを何本か開けて、どのワインが合うのかを試しながら食べるのも楽しいかもしれません。

A-styleワインアドバイザー
佐藤ソムリエ

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都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。

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第22回 「ワインコンクール」

ワインのボトルに貼られた小さなメダル型のシール、これがなんの印なのかご存知でしょうか?これはそのワインがコンペティションで受賞したことを示しています。ワインの世界にも、ワインの質を評価する品評会があります。対象となるワインはコンペティションごとに異なり、生産地域に限定したもの、ブドウ品種に限定したもの、スパークリングワインに限定したものなど、世界各国に大小様々なワインコンクールが存在しています。

日本にもいくつかのワインコンペティションがありますが、その中でも2014年に開始され、今年で6回目を迎えたサクラアワードは、ワイン業界で活躍する女性が審査をするユニークなコンペティションです。ソムリエやワイン醸造家、ワインスクール講師、ワインジャーナリスト、ワインインポーターなど、現役のワインのスペシャリスト達がブラインド(銘柄を隠した状態)でワインを試飲し、4,000種以上のワインを100点満点で評価します。その中から評価の高かったワインがダブルゴールド、ゴールド、シルバーのメダルを受賞します。

世界的に信頼の高いコンペティションとしては、イギリスで毎年開催される国際コンクール、インターナショナル ワイン チャレンジ、通称IWCが有名です。こちらは世界中の権威ある審査員が選考を行うもので、2007年からは、日本酒の部門も設けられています。

これらのコンペティションで厳正な審査を突破し、見事に受賞したワインはその目印にメダル型のシールが貼られます。プロフェッショナルによって選ばれたワインは、当然質の高いものばかりですから、消費者がワインを選ぶ時に大きな手助けとなります。もちろんコンペティションにも色々なレベルのものがありますから、そのメダルがどのコンペティションで受賞したものかをチェックする必要はありますが、お店やWEB上でメダル型のシールを見かけたら、是非ワイン選びの参考にしてみてください。

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佐藤ソムリエ

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都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。

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第21回 「スクリューキャップ」

皆様はスクリューキャップのワインにどの様なイメージをお持ちでしょうか?スクリューキャップ=安ワインというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。確かにかつてはそういう側面もありましたが、近年では状況が変わってきていることをご存知でしょうか?

1970年頃からワインにスクリューキャップが使用されるようになり、近年ではニュージーランドやオーストラリアを筆頭に急激にシェアを伸ばしています。ニュージーランドでは総生産量の90%にまで達しています。これは低価格なワインだけではなく、高級な価格帯のワインにもスクリューキャップが使用されていることを意味しています。また、ニューワールドだけではなく、フランス、イタリアといった伝統国でもスクリューキャップを見直す動きがあり、同一のワインをコルクとスクリューキャップでそれぞれ熟成をさせるという実験を行う生産者もいます。

では、スクリューキャップを使うメリットはどこにあるのでしょうか?まずは、品質面での安定が挙げられます。コルク栓のワインでしばしば遭遇するブショネは、コルクに付いたカビによる汚染が原因とされています。このブショネがスクリューキャップではほとんど起こることがありません。

次に保管の簡単さがあります。コルク栓のワインはコルクを乾燥させないために、ボトルを横にして保管しなければなりませんが、スクリューキャップは乾燥する心配がないので、立てたままでの保存が可能です。

ここまでスクリューキャップの素晴らしさをお話してきましたが、もちろんコルクにはかなわない面もあります。ソムリエナイフでキャップシールを切り、コルクを引き抜く一連の動作は、これから味わうワインへの期待を高め、テーブルの雰囲気を盛り上げてくれます。スクリューキャップのワインに目を向けることで、どちらが良い悪いかではなく、どちらも素晴らしいということを発見していただければ、更にワインをお楽しみいただけるのではないでしょうか。

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佐藤ソムリエ

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都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。

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第20回 「ワインの保存」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをA-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。

ご家庭で飲み切れなかったワイン、プレゼント等でいただいたワインをどの様に保存していますか?今回は飲み残したワインの保存方法、未抜栓のワインの保存方法についてお話させていただきます。

ご家庭でワインを飲まれる際、1本飲み切れずに残ってしまうことがありませんか?ワインは栓を抜いたところから空気と接触し、徐々に酸化していきます。特に熟成した年代物のワインや、繊細なタイプのワインは、開けたその日に飲んでしまわないと劣化が進んでしまい、美味しくいただけなくなります。ですが、フルボディの赤ワインや、果実味と酸味のしっかりとしたフレッシュな白ワイン等ですと、栓をして冷蔵庫に入れておけば、4、5日間、ものによっては1週間ほど楽しむことが出来ます。 とは言え、徐々にワインは劣化していきますので、より良い状態をキープする為には、バキュバンの様なワインストッパーを使い、ボトルの中を真空状態にする。或いは、ボトルの中に不活性ガスを注入してワインに酸素を触れさせなくするというのもお勧めです。これにより、開けるのが躊躇われるような特別なボトルも、数日かけて美味しくお楽しみいただけます。

次に開栓していないワインの保存方法です。ワインにとっての理想的な保存条件は、暗くて、涼しくて、適度な湿度のある環境。そうまさにワイナリーの蔵の中の環境です。しばらく寝かせて熟成を楽しみたい、数年後の記念日に飲みたいというような場合、どこに保存するのかが重要です。 ご家庭であれば、温度変化の少ない押し入れの中であるとか、冷蔵庫の野菜室などがお勧めです。ただ、長期間のワイン保存で理想的な環境と言えば、やはりワインセラーということになります。10本程度入る小さなものから、200本近く入る大きなものまで幅広いサイズがあります。 状況に応じた保存の方法を知っていただくことで、ワインの楽しみ方の幅がより広がります。

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佐藤ソムリエ

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都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年にANAインターコンチネンタルホテル東京のシェフソムリエ就任。

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第19回 「ソーヴィニヨン・ブラン」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。

毎月ひとつのブドウ品種にフォーカスしてその魅力をお伝えします。今月のブドウ品種は「ソーヴィニヨン・ブラン」。

アロマティック、フレッシュ&シャープ、パッションフルーツの香り

ワインを形容するのに「アロマティックな」と表現することがありますが、ソーヴィニヨン・ブランの香りを表すのにぴったりです。ハーブや柑橘系のはっきりとした香りと爽やかさにあふれた、フレッシュでシャープな味わいが特徴のこの品種はシャルドネとは全くキャラクターの異なる白ワインです。

フランスのロワール地方やボルドー地方で古くから栽培されているブドウ品種でしたが、1970年代にカリフォルニアのロバート・モンダヴィが「フュメ・ブラン」としてプロモーションし、成功をおさめた頃からブレンドされたソーヴィニヨン・ブランではなく、単一品種としての個性が注目を集め始めました。さらにその後ニュージーランドのクラウディ・ベイが鮮烈な香りを前面に押し出したスタイルを確立するとフランスを凌ぐ地位を獲得し、今やソーヴィニヨン・ブランの聖地はニュージーランドと言われるまでに成長を遂げました。

フランス、ボルドー大学の研究によりソーヴィニヨン・ブランの香りの特徴を決めるのはある硫黄化合物であることが判明していますが、それがどのくらいワインの中に含まれるかにより、グレープフルーツや、パッションフルーツ、カシスの芽の香りと言ったポジティブなものから、猫のおしっこと表現されるものまで様々な表情を見せてくれるところがこのブドウ品種の面白いところです。

樽熟成を用いて、まろやかでボリューム感のあるタイプから、すっきりフレッシュなタイプへ、さらに先述のニュージーランドの典型的な香りの強いタイプへと味わいの流行が変化してきたソーヴィニヨン・ブランですが、現在は樽を用いず、ピュアなソーヴィニヨン・ブランの香りを表現しつつも、爽やかだけでない、飲み応えのあるものがトレンドです。

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ワインアドバイザー
今井ソムリエ

<プロフィール>
(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ

2007年にボルドー大学醸造学部公認ワインテイスターを取得。

ANAインターコンチネンタルホテル東京のF&Bダイレクター就任。

第18回 「メルロー」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。

毎月ひとつのブドウ品種にフォーカスしてその魅力をお伝えします。今月のブドウ品種は「メルロー」。

滑らかさ、甘く豊かな果実味、ブルーべリーのフレーヴァー

原産地がボルドーなので、とかくカベルネ・ソーヴィニヨンと対比されることの多いメルロー。以前はブレンド用としてカベルネ・ソーヴィニヨンの補欠品種のようなイメージがありましたが、いまやメルロー100%のワインも多数造られており、広く世界的に栽培されるようになりました。
メルローから造られるワインは、ふくよかな果実味と、十分に強いながらも柔らかいタンニンがバランスよく溶け込んだ味わいで、ワインビギナーでもわかりやすく、親しみやすい特徴を持っています。丸みのある、とろりとした口当たりと赤ワインの割には収斂性が控えめなところはカベルネ・ソーヴィニヨンと対照的です。
遅い収穫、低い収量、そして斬新な醸造技術の採用によりメルローは現在の地位を確保し、以前は強く、濃い味わいが支持されましたが、昨今のエレガントなワインへの傾倒はメルローも例外ではなく、ニューワールドと呼ばれる、オーストラリアやチリでも収穫時期をコントロールして酸を生かし、重すぎない味わいへと変化してきています。
お勧めの産地はずばり日本です。欧州系品種が難しいとされてきた日本で素晴らしいメルローのワインが味わえることにきっと驚かれると思います。

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今井ソムリエ

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(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ

2007年にボルドー大学醸造学部公認ワインテイスターを取得。

ANAインターコンチネンタルホテル東京のF&Bダイレクター就任。

第17回 「シラー」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。

毎月ひとつのブドウ品種にフォーカスしてその魅力をお伝えします。今月のブドウ品種は「シラー」。

スパイシー、野性味、上品さ

赤ワインが好きな方にお気に入りのブドウ品種を聞くと、比較的上位に名前があがる「シラー(Syrah)」。
若いうちからでも熟成させても異なる魅力を見せてくれる万能さが好評で、私が勤めるホテルでもワインに興味を持ち始めた女性ゲストや外国人ゲストから人気が高いブドウ品種です。
一昔前はシラーと言えば、フランス・ローヌ地方のものが日本ではシェアが高かったですが、現在はニューワールド産のリーズナブルなものが、先入観をもたない年齢層の方に受け入れられています。特にオーストラリアではこの品種は「シラーズ(Shiraz)」と呼ばれ、国を代表するブドウ品種として認知されています。

フランス産シラーとオーストラリア産シラーズは、同じブドウ品種といえども香りや味わいが異なり、そのコントラストがハッキリしていることから、我々ソムリエも別の品種のようにお勧めするなどTPOを使い分けます。
例えば、ローヌのシラーの特徴は胡椒やカルダモンを思わせるスパイシーな香りと熟成を必要とする濃厚な味わいで、ワイン単体で飲むより、ジビエやレバーのような癖のある食材を使った秋冬の献立が恋しくなるキャラクターです。
一方、オーストラリア産シラーズはプルーンの熟した果実味に、同じスパイスでもミントやユーカリのような清涼感を備えた特徴で、骨格のしっかりとした、でも滑らかなタンニンを持つ、ワイン単体でも十分に楽しめるタイプと言えるでしょう。エスプレッソのような心地よい苦味がビターチョコレートとも合うかもしれません。

ただどちらの産地にせよ、シラーが持つ熟成のポテンシャルの高さとその変化の大きさこそがこのブドウ品種の一番の魅力であることを知っていただけたら幸いです。

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今井ソムリエ

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(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ

2007年にボルドー大学醸造学部公認ワインテイスターを取得。

ANAインターコンチネンタルホテル東京のF&Bダイレクター就任。

第16回 「カベルネ・ソーヴィニヨン」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。
毎月ひとつのブドウ品種にフォーカスしてその魅力をお伝えします。今月のブドウ品種は「カベルネ・ソーヴィニヨン」。

甘み、豊かさ、カシスの香り

世界で最も有名なブドウ品種で、フルボディの赤ワイン用ブドウ品種として筆頭に挙がるカベルネ・ソーヴィニヨン。どのような環境下にあっても、カベルネ・ソーヴィニヨンから造られたワインであるというアイデンティティを失わないそのキャラクターは第15回のコラムでふれたシャルドネと同様、個々のヴィンテージや造り手の個性、土地の味わいを表現する力を備えています。多くのワインラヴァーにとって赤ワインのベンチマークであり、タンニンとは、熟成とは、ブレンドとは、をこのブドウ品種から学んだ方も多いと思います。

温暖で日照量の多いアメリカ・カリフォルニアやオーストラリアなどのニューワールドではブドウが完熟するため単一品種でも完成度の高いワインができますが、以前のようにパワフルで濃いワインではなく、若いうちからバランス良く飲めるワインを目指す方向に変わってきているのは他のブドウ品種と同様です。
一方、本場フランス・ボルドー地方では他のブドウ品種とブレンドされるのが一般的です。相乗効果を生み出す目的と、晩熟のため、重要な時期の寒波や降雨でカベルネ・ソーヴィニヨンが相応しい品質レベルに達しない場合のリスクを分散させるためです。著名な生産地、マルゴーやサンテステフでは土壌的にはカベルネ・ソーヴィニヨン向きの区画でも未だにメルローが多く植えられているのはそのような理由からですが、昨今の温暖化と詳細な土壌研究によりカベルネ・ソーヴィニヨンへの回帰が見られるのがここ最近の動向です。

地球温暖化と言えば、先日来日していたイタリアの重鎮アンジェロ・ガヤさんもその土地に相応しいブドウ品種が温暖化の影響で変わってきたと話しています。彼はイタリア中部や南部で伝統的に栽培されているブドウ品種を、温暖化の影響を緩和するために北イタリアで育てる動きをすでに始めており、いくつかは適合していると仰っていました。
成熟を迎えることが困難なブドウ品種にとっては良いことですが、地球温暖化はカベルネ・ソーヴィニヨンだけでなく、ワイン造りにもゆっくりと確実に影響を与え始めているようです。

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第15回 「シャルドネ」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。
毎月ひとつのブドウ品種にフォーカスしてその魅力をお伝えします。今月のブドウ品種は「シャルドネ」。

コミュニケーション能力の高いブドウ品種

ワインを学び始めた頃、「シャルドネは個性がないことが個性」だと教えられ、しばらくその意味が理解できませんでした。
香ばしいトーストや、バターやバニラのようなわかりやすい香りのキャラクターを備えたシャルドネは非常にわかりやすい個性を持っていると思っていましたが、それらは発酵や木樽での熟成過程を経て得られるものであることを認識できたのは少し時間がたってからでした。
シャルドネはそれ自体に強い個性がない分、その育つ土地や気候、醸造方法により影響を受けやすい、映し鏡のような特性があり、さらに冷涼な地域から温暖な地域まで環境への順応性が高く、かつ良質なワインを造ることができるという万能性を兼ね備えているブドウ品種と言えます。

時代の流れと共にシャルドネから造られるワインのスタイルも変化してきており、90年代はオークのニュアンスが強調された、濃厚な味わいが典型的なシャルドネのキャラクターとされていましたが、現代は素材を重視した軽やかな食事がもてはやされている分、樽熟成のニュアンスを抑えたエレガントなシャルドネが増えてきています。どちらのスタイルが良いという二元論ではなく、一つのブドウ品種が土地の個性だけではなく、時代の流行すらも味わいに映しだす、変幻自在なその稀有なキャラクターこそがシャルドネの醍醐味と言えるでしょう。

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第14回 「ガメイ」

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毎月ひとつのブドウ品種にフォーカスしてその魅力をお伝えします。今月のブドウ品種は「ガメイ」。

軽快、フレッシュ、甘草(かんぞう)の香り

毎年11月の第3木曜日に解禁日を迎えることで有名なボジョレー・ヌーヴォーですが、ガメイ(Gamay noir a jus blanc)というブドウ品種から造られていることはあまり知られていません。

マセラシオン・ガルボニックと呼ばれるフレッシュさを生かす醸造法により、軽くて果実味豊かな個性を押し出した飲みやすい赤ワインとして日本でも定着していますが、一方で凝縮感の感じられないワインは軽視される傾向があり、ガメイの個性が語られることはあまりありません。

自然な発酵に伴うブドウ本来の味わいを引き出されたガメイは、甘草(ウコンに似た香り)のようなニュアンスと後味にほのかな甘味を感じる噛み応えのある味わいで、繊細でありながらも十分に語るべき個性を備えています。

大半は出来てすぐ飲まれるガメイですが、2〜3年熟成させると、その個性をさらに際立たせます。また、一部の優れた生産者やクリュ・ボジョレー(ボジョレー地方の中でも限られた10の村から造られる赤ワイン)の中には数十年の熟成に耐えるものがあり、そのキャラクターはピノ・ノワールに似てくる傾向はプロの間では良く知られています。

生産地域に関わらず、エレガントなワインが最近の流行ですが、そもそも繊細なキャラクターを持ったガメイの個性を見直す時期が来たのかもしれません。

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第13回 「ピノ・ノワール」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。
毎月ひとつのブドウ品種にフォーカスしてその魅力をお伝えします。今月のブドウ品種は「ピノ・ノワール」。

優美さ、なめらかな質感、芳醇な香り

ピノ・ノワールを飲んでワインを好きになった方は多いと思います。

豊かなで華やかな香りとエレガントな味わいは日本人の味覚にしっくりきます。そう言えば、醤油との相性がよいことは意外と知られていないかも知れません。

暑い時期なら少し冷やしして、寒い時期なら室温で。複雑過ぎない、手ごろな価格のピノ・ノワールは疲れない赤ワインとして優しい魅力を持っています。

ほんの30年ほど前まではピノ・ノワールと言えば、フランスのブルゴーニュ一辺倒でしたが、同じフランスでもアルザスやロワール地方、ヨーロッパでもドイツやイタリアとメジャーな産地を少し外してみるのが、コストパフォーマンスを上げるコツです。新世界に目を向けるとアメリカのカリフォルニアやオレゴンはもはやピノ・ノワールの銘譲地として名声を築いており、その分価格は上昇傾向です。一方、ニュージーランド、オーストラリアはまだまだ未開拓なスペースが存在し、涼しい産地から思いがけない掘り出し物が見つかったりします。あるいはチリのしなやかな味わいのピノ・ノワールはその品質に比べると考えられないほど低価格なので、人気に火がついて価格が上がらないように内緒にしたいくらいです。

王道を外してワインを選択するのが今どきのピノ・ノワールの楽しみ方と言えるでしょう。

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第12回 「リースリング」

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今回から少しアプローチを変えて、毎月ひとつのブドウ品種にフォーカスしてお伝えします。最初に取り上げるブドウ品種は「リースリング」。

繊細さ、透明感、ストレートに伸びるきれいな酸味

その主張しすぎないキャラクターはどこかしら日本人のイメージと重なるのですが、海外での高い評価とは対照的に日本ではあまり人気はありません。
実際、スーパーや百貨店のワイン売り場で白ワインのコーナーを見ても他のブドウ品種に比べてリースリングは肩身が狭そうですが、猛暑が続くこの季節こそ繊細なリースリングの出番です。
ドイツ原産の冷涼な気候を好むブドウ品種で、無駄な味がなく、すっきりとしていて、しかし複雑な味わい。酸の力が印象的で、さらに香りも高い。ワイン単体でも、夏の献立に合わせてもぴったりなリースリングはよく冷やして楽しむことが大切です。昨今の辛口嗜好の流行に乗り、ものすごくドライなタイプが世界で流行っていますが、ほのかな甘みが感じられるタイプも和食によく合います。
以前はもっぱらドイツ、フランス産のものが主流でしたが、今はオーストリアや、アメリカのワシントン、オレゴン、イタリア産など、リーズナブルなリースリングのバラエティが増えたことが嬉しい限りですね。
日本も今や一定レベルのワインの知識を持つ人が増え、独自の判断でワインを選べる消費者が増えた今日ではリースリングが当たり前の選択肢として受け入れられるのはそんなに遠くないと信じています。

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2007年にボルドー大学醸造学部公認ワインテイスターを取得。

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第11回 「日本ワイン」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。

第11回目のテーマは「日本ワイン」。

皆さんは国産ワインと日本ワインの違いをご存知ですか?

2018年10月から、国税庁が日本ワインのブランド化を進めるためにラベル表示に関して新しいルールを適用します。日本産ブドウだけを使って、日本で醸造したワインを「日本ワイン」と記載することを義務化するのです。輸入してきた原料ブドウや海外の濃縮果汁原料を使っても、日本国内で醸造させれば「国産ワイン」と一括りに表現されるのが消費者にとってわかりにくいという背景から、日本ワインの国際的な認知の向上を目的とした仕組みがいよいよ整ってきました。
遡ること約140年前の明治時代に本格的に日本のワイン造りが始まったと言われ、ワイン生産国としては歴史が浅いですが、ここ数十年で日本ワインは過渡期を迎えています。
2000年以降急激にワイナリーの数が増え始め、現在は約283軒(2017年3月現在)。日本のワイン造り発祥の地、山梨県を筆頭に、長野県、北海道、山形県と続きます。
ひと昔前なら、濃厚で複雑性のあるタイプを求めていたものが、日本と言う気候風土にあったブドウ栽培方法に理解が深まるにつれ、原料ブドウの品質が向上し、結果的に日本ワインのレベルが国際レベルに到達してきました。
上品、繊細、エレガントと表現されることの多い、日本ワインがヨーロッパの国際的なワインコンクール等で高く評価されていることを日本人として本当に嬉しく、誇らしく思います。
シャルドネ、メルローといった国際品種だけでなく、日本の気候に合うように交雑・交配されたものや、日本固有種等、例えば甲州も様々なタイプのものが高いレベルで選択できるところが、ワイン生産国としての実力をつけてきたことの証明と言えるでしょう。
志の高い日本のワイン生産者が手がける日本ワインの進化から目が離せません。

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今井ソムリエ

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(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ

2007年にボルドー大学醸造学部公認ワインテイスターを取得。

ANAインターコンチネンタルホテル東京のF&Bダイレクター就任。

第10回 「夏に飲みたいワイン」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。

第10回目のテーマは「夏に飲みたいワイン」。

とりあえずビール!がおいしい季節ですが、夏には夏ならではのワインの楽しみ方があります。
ポイントは冷やしてこそ魅力が引き立つワインを選ぶことです。

例えば、泡ならシャンパーニュは一年中いつ飲んでも美味しいものですが、あえてこの季節はキンキンに冷えたスパークリングワインの爽快感を気軽に味わっていただきたいものです。
白ワインなら濃厚なシャルドネよりもアルコール度数が高くないドイツのリースリングや、ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ、スペインのアルバリーニョやゴデーリョ等のフルーティーでみずみずしい味わいがお勧めで、しっかり冷やして飲んでみると、夏の火照った身体を癒してくれます。また夏のバカンス期間中には世界中から観光客が押し寄せるギリシャ、サントリーニ島で造られるアシルティコを休日の午後に飲みながら旅行した気分を味わうのも捨てがたい選択肢です。
また通常常温で楽しむ赤ワインを冷やして飲むのも夏らしい楽しみ方と言えるでしょう。渋みの少ない、軽いタイプのもの、例えばドイツのシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)を冷やし気味で試してみると爽やかな酸が引き立って、飲みやすさが増し、夏でも赤ワインが美味しく楽しめます。

とにかく冷やして楽しむからには高級ワインである必要性はなく、カジュアルなもので十分です。
今年の夏はワインで乾杯してみませんか?

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ワインアドバイザー
今井ソムリエ

<プロフィール>
(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ

2007年にボルドー大学醸造学部公認ワインテイスターを取得。

ANAインターコンチネンタルホテル東京のF&Bダイレクター就任。

第9回 「オレンジワイン」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲み頂くためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。

第9回目のテーマは「オレンジワイン」。

トレンドに敏感なワインショップやレストランで最近良く見かけるオレンジワイン。興味があってもお試しになられた方はまだ少ないのではないでしょうか?今回は一度飲むとやみつきになってしまう、オレンジワインの魅力についてお話します。

見た目の色合いから、オレンジワイン、もしくはアンバーワイン(琥珀色のワイン)と呼ばれ、白ワインの一種ではあるものの、果汁のみを発酵させる一般的な製法ではなく、いわゆる「醸し」(ブドウの果皮を果汁に漬け込み、果皮からのボディと深みを引き出しつつ、ブドウが持っている果実味を引き出す工程)を数週間から数ヶ月と時間をかけて育てられる個性豊かなワインです。

オレンジワイン自体にスポットが当たったのは最近のことで、ジョージア(旧グルジア)という国の伝統的なワイン製法が2013年ユネスコの無形文化遺産に登録されたことをきっかけにアンバーワインが注目を浴びることになりました。地中に埋めた、クヴェヴリという土器でつくられた甕(かめ)で、発酵から貯蔵までを行う方法が約8,000年も昔から続いているなんて神秘的ですね。さらにその特殊なワイン造りのアプローチにインスピレーションを受けたイタリアの著名なワイン生産者達がさらにオレンジワインのブームを巻き起こし、いまや日本を含む、世界中のワイン産地でオレンジワインが造られるようになりました。

その軽やかだけど、渋みがある味わいは同じく2013年に無形文化遺産に登録された「和食」とのマリアージュもぴったりですので、日本のワイン市場で安定した地位を得る日も近いのではないでしょうか。

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今井ソムリエ

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(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ

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第8回 「ヴィンテージ」

日頃飲んでいるワインをもっと愉しくお飲みいただくためのコツをANAショッピング A-styleワインアドバイザーを務めるソムリエが定期的にご案内します。

第8回目のテーマは「ヴィンテージ」。

よいワインをつくるのに大切なことは、よいブドウを手に入れることです。
ワインの原料となるブドウを収穫した年を英語でVintage「ヴィンテージ」と言いますが、その年の天候の良し悪しによって出来上がるブドウの品質が左右されます。素材となるブドウの性格が出来上がるワインに様々な特徴となって表れるのが、農作物であるワインを楽しむ醍醐味ですが、日照量や降雨量を人間はコントロールできませんので、毎年ブドウを収穫するまで栽培家は苦心します。

「グレートヴィンテージ」という言葉を耳にされたことがある方も多いと思いますが、天気に恵まれ、適切なタイミングで雨量を得て、健全なブドウを収穫できた年のことを指します。凝縮感にあふれた長期熟成向きの濃厚な味わいに期待が膨らみ、当たり年というポジティブなイメージから消費者の需要が高まり、一般的に価格は高騰傾向です。

一方、天候に恵まれず、収穫時に雨が多く、ブドウの出来栄えが良くない年も残念ながら存在し、「オフヴィンテージ」や「バッドヴィンテージ」なんてレッテルを貼られ、価格が抑えられます。
とは言え、この十数年の醸造技術の発達には目を見張るものがあり、もはやバッドヴィンテージであっても不味くて飲めないようなワインは随分と減ってきており、単に「当たり年」だから良くて、「外れ年」だからおいしくないといった単純なルールは当てはまりません。

ヴィンテージチャートや数値化された評価はワインの品質を図る一つの指標にはなりますが、グレートもオフもワインにとって一つの個性です。
お子様が生まれた年がたまたま評価の高いグレートヴィンテージであれば、その記念のワインをゆっくりと時間をかけて育み、もしくはオフヴィンテージのワインをリーズナブルに手に入れて、長期の熟成を待たずに楽しむ、という具合に、うまくヴィンテージの個性と付き合えるとワイン選びの幅が広がります。

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第7回 「春に飲みたいワイン」

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第7回目のテーマは「春に飲みたいワイン」。

職業柄、いろんな方に「好きなワインは何ですか?」とか、「どんなワインがおススメですか?」と聞かれることが多いですが、TPOによってその時に飲みたいワインや、おススメのワインは変わります。
シンプルに「今日は赤ワインの気分!」という直感で選べる方は別にして、ご自身のワインの好みがいまいち掴めていない方や、オーダーをお任せいただけるお客様には季節に合わせたワインをよく提案します。冬には温かいお鍋が食べたくなるように、ワインも季節によって飲みたい味は異なるという考え方は受け入れられやすいアプローチと言えるのではないでしょうか。
選び方のコツは、その季節のイメージや旬の食材を思い浮かべて、相性のよさそうなワインを連想するという方法です。例えば、春だと菜の花やアスパラガス、山菜といったほろ苦い食材が思いつきますが、重厚感のあるリッチなワインよりも、ソーヴィニヨンブランや日本の甲州などのエレガントな酸味を持った白ワインと合わせてみたくなりませんか?
また、ロゼワインも捨てがたい選択肢です。食事の前にワインだけで楽しむのも絵になりますし、ご自宅で幅広いジャンルのお料理と気軽に合わせられるのも魅力的です。また、何よりその美しい色調が春の雰囲気とよくマッチします。昨今は幅広い種類のロゼワインが日本で手に入るようになりましたので、普段あまりロゼワインを飲まれない方もぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか?ユニークなデザインのラベルのものをジャケ買いしたり、普段馴染みのない産地の、例えば、ニューヨーク州で作られるロゼワインというのも今どきでおススメです。
季節感のあるワインで春の訪れをお楽しみください。

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第6回 「ワインを楽しむ温度」

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第6回目のテーマは「ワインを楽しむ温度」。

ワイン本来の味わいを楽しむためにワイングラスと温度が大きな役割を果たします。ワイングラスの効用については前回のテーマで取り上げましたので、今回は適切な温度でワインを楽しむ重要性についてお話させていただきます。

少し奮発して買ったワインがあまり自分の好みの味わいではなかった、という経験はないですか?そんな時こそ温度調節をしてみると、「あれ?さっきと味わいが違う」という経験が出来ます。
一般的に白ワインは冷やして、赤ワインは室温で飲むべきだ、と言う考え方が流布していますが、果たして本当にそうでしょうか?
確かに、赤ワインは温度が低すぎるとタンニンの渋みを強く感じますし、その反対に温度が高すぎるとフルーティさがなくなり、アルコールを強く感じます。
白ワインは冷やすと酸味が引き締まり、フレッシュな味わいが強調されますが、温度を上げすぎると味に締まりがなくなり、ピントのぼやけた印象になることがあります。

まずは体験していただくことが一番わかりやすいので、ワイングラスを2つ使って、同じワインを違う温度で飲み比べてみてください。軽い飲み口の赤ワイン(ピノ・ノワール、ガメイ品種など)を室温ではなく、少し冷やして飲むと心地よい酸味が引き出され、ゴクゴク飲める、ジューシーな味わいが楽しめます。また、コクのあるタイプの白ワイン(シャルドネ、ルーサンヌ、マルサンヌ品種など)をフルボディの赤ワインを楽しむような高めの温度で試してみると、低い温度では感じられなかった、華やかな香りが広がり、味わいはボリューム感が強調され、ねっとりとした凝縮感を堪能できることがあります。

温度がワインの味わいに及ぼす影響を知ることは高価なワインを何も意識しないでただ消費するよりも得るものが多いので、ぜひお試しください。

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第5回 「ワイングラスの多様性」

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第5回目のテーマは「ワイングラスの多様性」。

我々ソムリエがお客様にワインをサービスする際に日々気を遣っているポイントは、ワインを適切な「温度」かつ、適切な「ワイングラス」で提供することですが、この2点を押さえれば、ご家庭でもより一層ワインを美味しく楽しめます。
「温度」については、また別の機会を設けますので、今回はワイングラスが味わいに及ぼす影響についてお伝えいたします。

昨今は様々な種類のワイングラスが流通し、選ぶ選択肢が増えましたが、押さえるべきポイントはグラスの大きさ・形状・すぼまり具合です。
ある程度のグラスの大きさはワインの香りがとどまるために必要なスペースを確保してくれます。

形を決める際には、ワインを飲み込んだ時に最初に舌のどの部分に触れて、その後、どのように流れていくかをイメージして適切なワイングラスを絞り込んでいきます。
例えば、すぼまりの強いグラス(例;ブルゴーニュグラス)ですと、ワインを飲むときに自然と顎が上がるので、ワインの流れは舌先から直線的に舌の中央を通っていきます。酸味のある軽やかな赤ワインをこのグラスに合わせるとバランスの良さが引き出されます。またすぼまりの緩やかなグラス(例;ボルドーグラス)ですと、ワインを飲むときに顔を上げる必要がなく、ワインは舌先には触れず、中央部分から横にゆっくりと広がっていきます。濃厚な果実味が強いワインの渋みを和らげてくれるので、フルボディの赤ワイン向きのグラスと言えます。

ただ、このブドウ品種にはこのグラスといった、定番の組み合わせは確かに存在するものの、たまに違うワイングラスを合わせてみるとワインの違う表情を引き出せることもあるので、あまり難しく捉えずにワイングラスの多様性をお楽しみください。

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第4回 「赤ワインの熟成」

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第4回目のテーマは「赤ワインの熟成」。

ワインは時間をかけてゆっくりとその色合いや香り、味わいを変化させる飲み物です。
フレッシュでみずみずしい果実味に溢れたタイプや濃厚でパワフルなワインも良いですが、複雑性を増した熟成感を備えたワインの美味しさは特別で、この寒い季節にぴったりです。

一般的に赤ワインの熟成が進むと、色調は濃い色合いが褐色がかり、香りもなめし皮や森の土、トリュフといった複雑な個性を備え、味わいは一体感や円熟味を増します。

よく何年物のワインという表現を使いますが、すべてのワインが熟成すればするほど美味しくなる、というわけではなく、ブドウ品種やヴィンテージ、産地等によって異なります。
例えば、ボジョレー・ヌーヴォーはフレッシュさが命ですから、リリースされてから早めに飲まれることが一般的ですし、長熟タイプのシラーのようなワインは熟成させたほうが断然、品種の個性を発揮します。

まずはご自身が一番おいしいと感じる飲み頃はいつくらいなのかを意識できるとワインが選びやすくなります。
赤ワインを1本ご用意いただき、半分(A)をデキャンタに移し替えた後に少し時間をおいて、ボトルに入ったままの残りの半分(B)と飲み比べてみてください。
(A)の方がお好きな方は実際にラベルに記されているヴィンテージよりも、より熟成したタイプが好みということがわかります。ぜひいろんなワインで試して、好みの味わいを探してみてください。

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第3回 「ボジョレー・ヌーヴォーの香り」

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第3回目のテーマは「ボジョレー・ヌーヴォーの香り」。

ブドウを原料とするワインですが、ワインそのものからブドウの香りを感じることはあまりありません。
赤ワインであれば、カシスや、ラズベリー、白ワインからはグレープフルーツ、マンゴー等、他の果物の香りに例えられることの方が多いです。

そもそもワインの香りはいくつかの要因でつくり出されますが、主なものを挙げると以下の3つに由来するものです。
① ブドウ品種由来の香り
② ワインをつくる過程で発生する香り
③ 熟成段階に発生する香り

例えば、白ブドウのゲヴルツトラミネールから感じられる、バラやライチの香りは①のブドウ品種由来のもので、ナッツやバニラなどの香ばしい香りはシャルドネ由来の香りではなく、②の木樽で発酵・熟成させた特徴的な香りです。トリュフやなめし皮と言った複雑な香りは、若いワインから感じられることは少なく、③の長い年月を経て形成される香りです。

まもなく解禁を迎えるボジョレー・ヌーヴォーの典型的な香りは、バナナやフルーツキャンディーのような華やかな香りに例えられますが、その香りは②のワインをつくる過程で発生するものであって、ボジョレーのブドウ品種「ガメイ」に由来するものではありません。
香りの由来に思いを馳せながら今年のボジョレー・ヌーヴォーをお楽しみ下さい。少し冷やすことをお忘れなく。

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第2回 「秋に飲みたい白ワイン」

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第2回目のテーマは「秋に飲みたい白ワイン」。

暑い季節にキンキンに冷やして飲まれるイメージの強い白ワインですが、実はその味わいのバラエティの豊富さは意外に知られていません。
すっきりさわやかタイプ、飲みやすいフルーティーなタイプ、コクのあるまろやかな味わい等、TPOに応じて我々ソムリエはお客様に提案しています。

季節に合わせて選ぶのも一つのアプローチの方法で、春にはリースリング、夏にはソーヴィニヨン・ブラン、そして少し涼しくなってきたこれからの季節にはリッチな味わいのシャルドネがお勧めです。
昔に比べると最近はエレガントなタイプのものも増えてきましたが、オークのニュアンスに富んだ、濃いめの味わいのシャルドネは寒い季節の日本の食卓には活躍できる機会が多いはずです。

赤ワインと比べると、白ワインは熟成が進むのが早いのも家庭で楽しむメリットです。
ある程度熟成させたこなれた味わいのシャルドネを大きめのグラスであまり冷やしすぎないで楽しむとご家庭でも贅沢な気分が味わえますが、自宅でワインを熟成させるのって、ハードルが高いですね…。
買ってすぐ飲む場合にはデキャンタージュを行うと若いビンテージのものでもお手軽に飲み頃の味わいに変身させられます。
デキャンタージュとは、ワインをボトルから別の入れ物(デキャンタ)に移し変える作業のことで、ワインと空気を触れさせることにより、短時間で香りを開かせることができます。赤ワインで行われるのは良く見かけたことがあるかもしれませんが、若いシャルドネはデキャンタージュで格段においしくなりますので、是非お試し下さい。

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第1回 「シャンパーニュの愉しみ方」

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第1回目のテーマは「シャンパーニュの愉しみ方」。

シャンパーニュとは、フランス・シャンパーニュ地方の特定の地域の、特定のブドウ品種を用いて、伝統的な製法(シャンパーニュ製法)によってつくられる発泡性ワインのことを指します。

お祝いや人生の節目に飲まれる機会の多い華やかなお酒ですが、みなさまはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
私がソムリエとして働き始めた頃はまだまだ高級なイメージの「特別な」お酒でしたが、最近はカジュアルな飲食店でもグラスでオーダーできるお店が増え、広く認知されてきました。

日本のシャンパーニュ輸入量は年間1,000万本を超え、イギリス、アメリカ、ドイツに次いで、世界第4位のシャンパーニュ輸入国です。

そんなシャンパーニュを美味しく飲むコツはズバリ「温度」と「グラス」。
ご自宅で楽しむ場合は、飲む2時間以上前に冷蔵庫に入れてしっかり冷やしてください。アウトドアなどの温度の高い環境でなければ、冷やすためのクーラーも用意しなくてOK。むしろゆっくりと温度が上がっていくことにより変化する香りや味わいを楽しんでください。
またシャンパーニュを楽しむグラスは美しい泡立ちを楽しむために、フルートグラスと呼ばれる細長いタイプのグラスで飲む機会が多いと思いますが、私のお勧めは白ワイングラスです。ゆっくりと時間をかけて形成された複雑な香りもシャンパーニュの魅力ですので、ぜひ膨らみのあるワイングラスでお試しください。

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