2024.2.13
カベルネソーヴィニヨンとソーヴィニヨンブラン
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世界共通のスタンダード品種
日本には世界中のワインが集まり、様々なブドウ品種、そして様々なスタイルのワインを楽しむことができます。レストランでソムリエが提案するワインペアリングには、国や産地だけではなく、スタイルでワインが選ばれるようになり、聞いたことのないような土着品種、そして各国のオレンジワインも登場して、料理との絶妙な相性を見せてくれます。
ワインの選択肢が増え、多様なワインが飲まれるようになりましたが、それでもカベルネ・ソーヴィニョンとソーヴィニョン・ブランの人気は高く、ワインリストには欠かすことができません。私の勤務していたホテルグループでは、各レストランのグラスワインに、この2品種とピノ・ノワールとシャルドネを必ず用意するという全世界共通のルールがありました。それだけ、世界中の人々に認識され、愛される品種なのです。
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華やかなワイン。
エレガントなワイン。ソーヴィニョン・ブランは世界中のワイン産地で造られていて、柑橘類やハーブの爽やかな香り、フレッシュでしっかりとした酸味が特徴の品種ですが、産地によって様々な表情を見せてくれるブドウ品種でもあります。
ニュージーランドではハーブのニュアンスがより強く爽やか、アメリカでは樽を使い華やかで力強くふくよかに仕上げるスタイルが見られます。同じフランスの産地でもボルドーではセミヨン等の品種とブレンドされふくよかなスタイル、ロワールではすっきり爽やかなスタイルのワインとなり、表情豊かな品種と言えます。
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力強くて濃厚な
カベルネ・ソーヴィニョンソーヴィニョン・ブランがフランス、ロワール地方からボルドー地方に伝わった際、カベルネ・フランと自然交配で生まれたのがカベルネ・ソーヴィニョンです。ボルドーの5大シャトー、カリフォルニアのオーパスワン、チリのアルマヴィーヴァ、イタリアのサシカイア等の偉大なワインはカベルネを主体にブレンドされています。
早い段階から楽しむことができますが、熟成を経ることで角が取れ、タンニンが丸くなり、複雑味が増していくのも大きな魅力です。力強いカベルネとエレガントなピノ・ノワールはワイン愛好家の人気を二分していて、フランスワインが好きな方でも、カベルネ主体のボルドー派とピノ・ノワールで造られるブルゴーニュ派に分かれるほどです。
カベルネとピノ・ノワール、ソーヴィニョン・ブランとシャルドネ、皆様のお好みはどちらでしょうか?ちなみに、私はどちらも好きです!
A-styleワインアドバイザー 佐藤ソムリエ
<プロフィール>
都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年から2022年9月までシェフソムリエとしてANAインターコンチネンタルホテル東京に在籍。
(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ・エクセレンス