A-styleソムリエ ワインコラム アーカイブVol.2 ソムリエおススメのワインや美味しいワインの飲み方をご紹介します。

2023.12.12
ワインの表現

佐藤ソムリエ

監修ワインアドバイザー 佐藤雄介ソムリエ

ワインのコメントは難しい?

「香りは華やかで、複雑な味わいの素晴らしいワインです!」ソムリエやワイン愛好家の方がワインの味わいや香りを表現する際のコメント。
なんだかカッコよく聞こえませんか?難しそうに聞こえるかもしれませんが、ちょっとしたポイントを押さえれば、誰でもちょっとカッコいいコメントができるんです。

どんなワインにどんな表現ができるのか、具体的にみていきましょう。

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華やかなワイン。エレガントなワイン。

まずは「華やかなワイン」です。
特にヴィオニエやゲヴェルツトラミネールなど、アロマティック品種と呼ばれるブドウから造られる華やかな香りがしっかりと感じられる白ワインに使えるコメントです。

これと対照的なのが「エレガントなワイン」。きめの細かい泡と穏やかな香りのスパークリングワインや、控えめながらも優雅な香りと味わいの白ワイン、赤ワインに使われます。

力強いワイン。ピュアなワイン。

「力強い」と表現できるワインのタイプはいくつかありますが、一番分かりやすいのは樽熟成により味わいが凝縮し、香りにもボリューム感が出たワインです。近年では対照的なスタイルのエレガントなワインがトレンドと言えますが、樽のしっかり効いたワインにも根強いファンがいますね。

単一の品種から造られ、樽を使わずにステンレスタンクで発酵させたワインは、品種本来の香り、味わいをシンプルに表現しており、より前向きな表現で「ピュアなワイン」と呼べます。

この様にワインの特徴を端的に掴んで、それを端的に表現するだけでもちょっとだけカッコよくワインを表現することができます。特に自分の好みのワインを伝える時に端的な表現が活躍するので、ぜひ気軽にトライしてみてください。

2023.10.10
フレンチの名店“アピシウス”の情野 博之シェフソムリエが語る
「家庭料理とワイン」

情野 博之シェフソムリエ

監修ワインアドバイザー 情野 博之シェフソムリエ

マリアージュとは?

『この料理にはこのワインが合う』などと巷ではよく聞きますが、お食事とワインの組み合わせのことをフランスでは『結婚』を意味する『マリアージュ』とよく言われます。
このマリアージュ、難しいように思えますが意外にある法則を外さなければ、ある一定の満足感は得られます。もちろん『十人十色』ですので『合う!』と『合わない』は裏合わせです。今回は僕らプロが必ず行っている『合わせるポイント』の極意を伝授いたします。

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ソムリエが教えるペアリングのコツ

マリアージュと言われるとやや難しく考えがちですが、基本ポイントは二つしかありません。『シミラーな組み合わせ』と『コントラストな組み合わせ』です。
平たく言えば『似たもの同士の見合わせ』と『対極にある組み合わせ』しかありません。似た物同士は『同じような色調』『似たような味付け』『似たような香り』などを意味します。

一方対局の組み合わせは『脂っこいものとサッパリしたもの』など味覚的に対極にあるものを指します。ソムリエをやっていると、無難に似た物同士の組み合わせでワインを薦めればまず間違えなく『よく合って美味しい』となりますが、対極のコントラストの組み合わせは塩梅が難しく、『ノルかソルか』のケースが多いです。

お家で楽しむときのポイント

そんな所でシミラーな似た物同士のポイントを探るのも楽しみの一つです。
例えばフィレのトンカツとのマリアージュを考えると、似た物同士のポイントはトンカツからくる『脂分』、衣からくる『香ばしい香り』ですが、それをレモンと醤油で食べるとさっぱりとした味わいです。その場合はシミラーな組み合わせはシャルドネなどの白ワインで少し樽の効いた香ばしいアメリカなどニューワールドのシャルドネを選ぶのがよろしいかと思います。

また、別の食べ方としてトンカツソースにマスタードで楽しむケースは、濃厚でスパイシーな味わいと同じレベルの濃厚でしっかりとしたフルボディタイプの赤ワインを合わせると間違いない組み合わせになります。

極論は『サッパリした味わいには白ワイン』『濃厚な味わいには重心の低い赤ワイン』と言えます。難しく考えないで意外にシンプルな組み合わせの方が『幸せなマリアージュ』を迎えることができます。

2023.8.8
ワインの色

佐藤ソムリエ

監修ワインアドバイザー 佐藤雄介ソムリエ

第4のワイン、オレンジワイン

ワインの色といえば白ワイン、赤ワイン、ロゼワインが定番ですが、オレンジワインをご存知ですか?

世界的には以前より大きなブームとなっており、第4のカテゴリーとして認知されているオレンジワインですが、日本でもここ数年でレストランやワインショップ、スーパーでもオレンジワインを見かけるようになりました。

世界各地で造られていますが、白ブドウを赤ワインの造り方で醸造したものがオレンジワインです。果皮から溶け出した色素によってオレンジ色になります。
厚みがあり、適度なタンニンが料理との相性の幅を広げます。

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緑のワイン?黄色のワイン?黒のワイン?

実はオレンジ以外にも、緑、黄色、黒のワインが存在します!

ヴィーニョ・ヴェルデはポルトガルのミーニョ地方で生産される爽やかな白ワイン。完熟する前のまだ緑色の残るフレッシュなブドウから造られるため、ヴィーニョ・ヴェルデ=緑ワインと呼ばれます。アルコール度も低めで、微発泡の夏にぴったりなワインです。

ヴァン・ジョーヌ=黄色ワインはフランスのジュラ地方で造られるワインです。サヴァニャンという品種のブドウを使い、シェリーのように酸化熟成させることで黄色の色調を帯び、シェリーや紹興酒の様な複雑さを持った個性的なワインとなります。

フランス南西地方カオールでマルベックという品種のブドウから作られる力強くて濃厚な赤ワインは、その色調の濃さから黒ワインと呼ばれています。比較的お手頃なものもあり、しっかりめのお肉料理と気軽に合わせて楽しめる赤ワインです。

色々なワイン

さらには、フランス、ロワール地方などで灰色の果皮のブドウから造られるヴァン・グリ=灰色ワインというワインもあります。

また、カリフォルニアではピノ・ノワールなどの赤ワイン用のブドウを白ワインの醸造法で仕立てた淡いロゼワインをヴァン・グリと名付けてリリースしている生産者もいます。

白、赤、ロゼ、オレンジ、緑、黄色、黒、灰色、ワインの世界は思った以上にカラフルですね。

どの色のワインもそれぞれに個性的なスタイルがありますので、お好みに合う色を見つけて、その日の気分やお料理に合わせて色々なワインをお楽しみください!

2023.2.7
ワイン樽の秘密

佐藤ソムリエ

監修ワインアドバイザー 佐藤雄介ソムリエ

木樽熟成は高級品の証

街中のビストロやスペインバルなどで見かけることのあるワインの木樽ですが、そもそもワイン造りにおいて木樽はどのような影響があるのでしょうか。

木樽は職人が手間と時間をかけてひとつひとつをハンドメイドで造り、値段は1本で10万円前後のとても高価なものです。

しかし最近では醸造過程におけるワインの液体にオークチップというものを直接入れる方法が開発されて、比較的安価なワインでも木樽のような香りが楽しめるようになりました。

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木樽がワインに与える効果

木樽はオーク材から造られ、ワインの発酵や熟成に使用することで特別な風味を付加させることが可能です。

2つの代表的な生産国がアメリカとフランスで、アメリカンオークはバニラやココナッツの甘美な香りがはっきりと主張する場合が多いです。一方でフランチオークはナツメグやシナモンのようなスパイスがワイン本来の香味に溶け込み複雑味を与えます。

また、木樽の内側は直火で焼き付けられて黒くなっています。その焦がし具合によって焼き加減が存在し、しっかり焼けばその分コーヒーやカカオ、トーストのような印象が強くなります。

料理の良い料理と飲み方は?

では次に料理との相性を考えてみましょう。白ワインであれば焼き鳥やチャーシュー、赤ワインなら焼肉やBBQの焼いた香りが木樽の個性とマッチングします。

さらに和食にはかかせない調味料の醤油の香ばしい風味との相性も良く、お魚の煮付けと合わせるのもおすすめです。

ワイングラスはやや大振りなものを選び、いつもより少し温度を上げて飲むと風味のポテンシャルをさらに引き出せます。

2022.10.11
お肉に合わせる赤ワイン

佐藤ソムリエ

監修ワインアドバイザー 佐藤雄介ソムリエ

料理を引き立てるワイン

メインとなる肉料理に赤ワインを合わせて楽しむ時間は、食事のハイライトとも言えるひと時ではないでしょうか。上質なお肉と添えられたソース、そこに相性の良い赤ワイン、考えるだけでお腹が空いてしまいますね。

お肉の種類と料理のスタイルに合わせてワインをチョイスすることで、お料理をより一層美味しく楽しむことができます。そこで今回は、代表的でポピュラーな牛肉と豚肉に焦点を当ててみます。

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牛肉とワイン

牛肉を使ったお料理と言えば、肉厚なステーキ、すき焼き、赤身肉を使ったビーフシチュー等があります。これらの味付けがしっかりした牛肉料理には、ワインも同様にしっかり目で力強いもの、ブドウ品種で言うとカベルネ・ソーヴィニョンやシラー、マルベック等がお勧めです。

スパイシーな味付けのお料理にはスパイシーなシラー、すき焼きのように甘みがあるものにはジンファンデルというように、共通項のある組み合わせを選ぶと更に相性が高まります。

豚肉とワイン

次に豚肉を使ったお料理はどうでしょう。ご家庭の食卓にも登場するBBQスペアリブ、角煮、生姜焼き等でイメージしてみましょう。牛肉に比べると肉自体も味付けも優しく、甘みのニュアンスがあるのが特徴です。合わせるワインも同じ方向性で考えられます。豚肉料理には優しい口当たりで、滑らかなタンニンのミディアムからフルボディ、品種で言うとピノ・ノワールやガメイ、グルナッシュがお勧めです。

サンジョベーゼから造られるキャンティ・クラッシコは牛肉にも豚肉にも合いますが、上質なTボーンステーキにはキャンティ・クラッシコ・リゼルヴァを、カジュアルなポーク・ソテーのトマトソース等にはスタンダードのキャンティ・クラッシコを合わせるという様な、料理とワインの格を合わせるというペアリングもおしゃれですね。

2022.8.16
ワインの適正温度

佐藤ソムリエ

監修ワインアドバイザー 佐藤雄介ソムリエ

白ワインはよく冷やして?赤ワインは常温で?

ワインにとって温度は非常に大切な要素の一つです。ご家庭でワインを楽しまれる際、皆様はワインの温度を気にされていますでしょうか?

スパークリングと白ワインは冷蔵庫でしっかり冷やして、赤ワインは常温で、というのがワインの適正温度の入口となりますが、今回はワインをより一層美味しくお楽しみいただくためのもう一歩踏み込んだポイントをお話します。

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スパークリングと白ワインの適正温度

スパークリングワインや白ワインは冷蔵庫でしっかりと冷やして、すっきりと爽やかに楽しみたいですよね。ですが、中には冷やし過ぎない方が本来の良さを楽しめるワインもあります。

例えば有名な白ワインのシャブリにはスタンダードの村名、一級畑、特級畑の3つのランクが存在します。村名のシャブリは軽快な飲み口と爽やかな酸味を楽しむワインですから、冷蔵庫でしっかり冷やすことでその良さを発揮します。逆に特級のシャブリは複雑味やボリューム感、熟成感が特徴ですので、冷やし過ぎるとその良さが隠れてしまいます。村名の適温が6℃から8℃とすると、特級は10℃から12℃というところでしょうか。

ただ、温度を測りながらワインを飲むというのも無粋ですので、基本的には冷蔵庫でしっかり冷やし、飲み始めたら冷蔵庫に戻す、或いは出したままにして適温に近づけるやり方がお勧めです。

スパークリングワインも同様の考え方が出来ます。すっきりとしたタイプであればしっかり冷やし、ふくよかなタイプであれば、少し高めの温度が適温となります。

赤ワインの適正温度

「赤ワインは室温で」、よく聞くフレーズですが、この室温とは何度のことだと思いますか?これはフランスなどヨーロッパの石造りの家の室温のことで、18℃前後を指すと言われています。

現代の日本ですと23℃から28℃くらいでしょうか。ですので、室内に置いたままのワインは飲む前に冷蔵庫で30分から1時間ほど冷やすことで適温に調整するとより美味しくいただけます。15℃くらいに保たれたワインセラーで保管してあると、グラスに注いで飲む際に適温になります。

白ワイン同様、赤ワインもタイプによって適温が異なります。例えばボジョレー・ヌーヴォーのような軽やかなタイプは12℃前後、ブルゴーニュのような華やかなミディアムボディは16℃前後、ボルドーのような重厚なフルボディは18℃前後が飲み頃となります。

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