A-style ソムリエ ワインコラム ソムリエおススメのワインや美味しいワインの飲み方をご紹介します。

2024.6.11

フレンチの名店“アピシウス”の情野 博之シェフソムリエが語る
「フレンチとフランスワイン」

情野 博之シェフソムリエ

「トゥールダルジャン」シェフソムリエを経て2007年よりフランス料理「アピシウス」シェフソムリエを務める。

<経歴>
国際ソムリエ協会認定ソムリエ
第6回「ポメリー・スカラシップ・ソムリエコンテスト」優勝
第3回「全日本最優秀ソムリエコンクール」第3位
女子栄養大学非常勤講師
シャンパーニュ騎士団認定オフィシエ
アンリオ アンバサダー(2013〜)
『ゴ・エ・ミヨ 2019』「ベストソムリエ賞」受賞

またワイン専門誌でのテイスターのみならず、2017年にはNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」にての密着取材を受けるなどソムリエ界のトップランナーとして活躍している。

アピシウス

有楽町にあるフレンチレストラン、アピシウス。
シャガールなどの芸術品に迎えられるグランメゾンには、
著名人も足しげく通う。
一度は訪れてみたいレストラン

アピシウス
  • トップソムリエが語る!
    フランスワインの魅力とは

    フランスワインの最大の魅力は深みに満ちた歴史と豊かな多様性でしょうか?フランスはワインの聖地として名高く、世界のワイン生産者から一つのベンチマークとして認められています。『テロワール』と呼ばれる土壌や気候条件が、ブドウに独自の風味や特性を与えます。ブルゴーニュはエレガントなピノ・ノワール種やシャルドネ種、ボルドーの力強いカベルネ・ソーヴィニヨン種まで、地域ごとに異なる個性が楽しめます。
    また、フランスのワインは伝統的な醸造技術と革新が見事に融合し世界のワイン造りをリードしていて、そこで造られるワイン達は世界中のワインラヴァ―の心を掴んで離しません。一口飲んだとたん、その土地の息吹や文化が感じられ、奥深く、心に残る味わいといえます。

  • フレンチレストランでのペアリング

    フレンチレストランでのペアリングの鍵は、料理とワインの相性を引き立てることです。例えば、脂っこい料理には酸味のあるリースリングやソーヴィニョン・ブランの白ワイン、またはタンニンの効いた赤ワインのカベルネ・ソーヴィニョンがよく合います。シーフードには、清涼感あふれる白ワインが最適です。また、甘みのある料理には、甘口のワインが相性抜群です。

    フレンチ料理は通常、コース仕立てで提供されるため、ワインもグラデーションを意識して選ぶことが重要です。軽快なワインからスタートし、徐々に構成が複雑になるワインに移行することで、食事の後半にしっかりとしたクライマックスを演出できます。

    最後に、自分の好みや個性を大切にしましょう。ペアリングは厳密なルールに縛られるものではなく、自由な発想で楽しむことができます。自分の舌と心に合った組み合わせを見つけるために、積極的に試行してみてください。

  • ご家庭での楽しみ方

    レストランでは料理が主役となりますが、家庭では「今日は何を飲もうかな」というシチュエーションも多いでしょう。このような場合、料理とワインはどちらも重要な要素となります。家庭でワインをペアリングする際の絶対的な鉄則は、「濃い料理には濃いワイン」「軽い料理にはワイン軽いワイン」という、いわゆる「似たもの同士の組み合わせ」を意識することです。例えば、濃厚な料理にはボルドーのような渋みのしっかりした赤ワインが良く合い、軽やかな料理にはロワールのソーヴィニョンブランなどのスッキリとした白ワインが適しています。また家庭料理はチョイ足し文化が根付いており、様々な調味料を使って味をアレンジすることが一般的です。例えばトンカツにはトンカツソースやマスタード、レモン、大根おろしなどを添えることがあります。このような場合、トンカツに合わせるワインを選ぶ際も、これらの調味料との相性を考慮すると良いでしょう。
    ただし、組み合わせには無限の可能性があります。意外な組み合わせが新しい味わいを生み出すこともありますので、家庭でワインを楽しむ際には、自分なりの発見を楽しむことも大切ですね。

今回ご紹介するワインはこちら