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世界のワインを巡る旅アーカイブ:ニューワールド

A-styleのワインアドバイザー監修のもと、世界各国のワインの特徴や味わい、
トレンドなどの情報とともにおすすめのワインをご紹介。

  • 南アフリカ
  • オーストラリア
  • チリ
  • 日本
  • アメリカ
  • ニュージーランド

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世界のワインを巡る旅アーカイブ:オールドワールド

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世界のワインを巡る旅

オーストラリアのワイン

佐藤ソムリエ

監修A-style ワインアドバイザー 佐藤ソムリエ

歴史あるヨーロッパのワイン生産国をオールドワールドと呼び、それ以外の新しい生産国をニューワールドと呼びますが、南アフリカのワイン生産は360年以上の歴史を持ち、最古のニューワールドと言われています。1994年のアパルトヘイト撤廃後は海外市場への積極的な取り組みが進み、輸出量はこの20年で約20倍となりました。その間、伝統的な生産者に加え、革新的な若い生産者も増え、伝統と革新が共存する注目の生産国に成長しました。

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南アフリカワイン協会は世界で最も環境に配慮したワイン生産国として「自然環境保護とワイン産業の共栄」をコンセプトに掲げています。多くのワイナリーが減農薬、減酸化防止剤、リサイクルの徹底、水源の維持などを盛り込んだガイドラインに従ったワイン造りを行っています。また、労働者環境の整備も急速に進んでいて、南アフリカのワインは自然にも人にも配慮したワインと言うことが出来ます。

多種多様な人種と文化で形成される南アフリカは「虹の国」とも呼ばれています。その歴史と人種の多様性は料理にも大きな影響を与え、さらに豊富な山の幸や海の幸、様々なスパイスがバラエティ豊かな食文化を生み出しました。そこで飲まれるワインもやはり多種多様なものとなります。ピノタージュやシュナン・ブランといった品種が有名ですが、様々な国際品種のワインも造られています。 オールドワールドのエレガントさと、ニューワールドのボリューム感を併せ持つ南アフリカワイン特有のスタイルをぜひお楽しみください。

チリのワイン

佐藤ソムリエ

監修A-style ワインアドバイザー 佐藤ソムリエ

チリは2015年以来、5年連続で日本におけるワインの国別輸入量第1位をキープしています。その要因の1つに2007年に発効された経済連携協定による関税の削減があります。これによりチリワインは他国のワインより安く輸入することができ、特に低価格帯のワインが大きなアドバンテージを得ることとなりました。手頃な価格に相まって、果実味が豊かで親しみやすいシンプルな味わいがチリワインの人気をより一層高めました。カジュアルなレストランはもちろん、酒販店やスーパーマーケットでも多くのチリワインが販売され、ワインに馴染みのない消費者にも受け入れられ、チリワインがきっかけでワインを好きになった人も多いのではないでしょうか。

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価格も手頃で、シンプルで果実味たっぷりな、いわゆる“飲みやすいワイン”はカジュアルレストランや居酒屋、家庭の食卓で多くの消費者に受け入れられた反面、ワインを飲みなれてきた消費者、ワイン愛好家は徐々にチリワインから離れていきました。これは日本に限ったことではなく、その他の国際市場でも同様で、チリの生産者も大きな課題として認識していました。その結果、2000年代に入ると、生産者たちは国際市場で競争できる、プレミアムなワインを造り始めました。

生産者たちの努力により、現在ではかつてのパワフルなワインだけでなく、エレガントで食事とも合わせやすいワインが登場してきています。しかも、オールドワールドのワインに匹敵するクオリティながら、価格は格段にお手頃というワイン好きにとっても、入門者にとっても嬉しい存在と言えます。かつてのイメージを覆す、モダンでエレガントなチリワインを是非お試しください。

日本のワイン

佐藤ソムリエ

監修A-style ワインアドバイザー 佐藤ソムリエ

「日本ワイン」が国産ブドウを原料とした果実酒であると法的に定義されたのは、つい最近の2015年のことでした。ここ数年で日本ワインの評価、注目度は国内外で高まってきました。これは美味しいワインを造り出す生産者の皆さんの努力の賜物に他なりません。また、それだけ日本人の生活の中にワインの存在がしっかりと根付いた証とも言えるのではないでしょうか。現在は47都道府県のうちのほとんどでワインが造られるようになりました。その中でも今回は、生産量1位の山梨県、2位の長野県のワインに注目しました。

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山梨県は生産量もワイナリーの数も日本随一で、日本のワイン造りの原点とも言える産地です。現在約80軒のワイナリーがあり、この数は日本全体の約3割程度を占めています。山梨県で最も有名なブドウは甲州で、生産量も最多で、海外からの注目度も高い品種です。生産者によって様々なスタイルに仕上げられるので、一言で個性を表現するのは難しい品種ですが、多くは穏やかでバランスの取れた果実味と酸味、後味に心地良い苦味があり、幅広いお料理に合わせやすいワインに仕上がっています。数ある甲州の中からお好みのスタイルを探してみるのも楽しいですね。

生産量2位の長野県は、日本で最も活気のあるワイン生産地の1つです。2017年10月時点で36軒だったワイナリーの数は、もうじき50軒にとどきそうな勢いです。気候条件に恵まれている為、ヨーロッパ系の品種が多く栽培されています。特にシャルドネやメルローは秀逸なものが多く、海外のコンクールでも多くの賞を獲得しているワイナリーがあります。世界のワインに引けをとらない長野のシャルドネやメルローを是非お試しください。

アメリカのワイン

佐藤ソムリエ

監修A-style ワインアドバイザー 佐藤ソムリエ

新世界のワイン産地の代表格と言えるアメリカ。近年ではワシントン州やオレゴン州、ニューヨーク州で生産されるエレガントなスタイルのワインに注目が集まっていますが、アメリカ全生産量の80%を占めるカリフォルニア州のワインの日本での知名度と人気は依然として一番高いのではないでしょうか。
カリフォルニア州の中でも、並べて名前の挙がることが多いのがナパとソノマの2つの産地ですが、その2つの違い、特徴をご存知でしょうか?

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まず、ナパはサンフランシスコから車で一時間程の位置にあり、約480のワイナリーが存在しています。カベルネ・ソーヴィニョンが栽培面積の約半分を占めますが、シャルドネやソーヴィニョン・ブランからも質の高いワインが生産されています。ナパの中でも、地域ごとに多様な気候条件があり、その影響下で造られるワインのスタイルも多様です。ただ、全体的な印象としては果実味がしっかりしていて、力強いワインが多く、それがナパのワインのイメージとなっています。一方のソノマは、ナパの西に位置し、ナパの2倍以上の広さの産地です。多様な気候条件の下で50種類以上のブドウが栽培され、400以上のワイナリーがあります。様々なスタイルのワインが生産されていますが、代表的なブドウとしては、ピノ・ノワールとシャルドネが挙げられます。内陸にあるナパは温暖なイメージですが、海からの影響を受けるソノマは冷涼な気候となります。ですので、冷涼な気候に適したピノ・ノワールとシャルドネからエレガントで質の高いワインが生産されています。

あくまでザックリとした印象で2つの産地を比較するのであれば、ナパは力強いカベルネ、ソノマは力強さとエレガントさを兼ね備えたピノ・ノワールが象徴的なワインと言えるのではないでしょうか。2つの産地のワインを、それぞれの産地の個性を感じながらお楽しみください。

ニュージーランドのワイン

佐藤ソムリエ

監修A-style ワインアドバイザー 佐藤ソムリエ

南北に長く、北島と南島からなるニュージーランドは、世界から注目される冷涼なワイン産地です。世界のワイン市場に本格的に登場したのは1980年代後半ですので、ニューワールドと呼ばれる産地の中でも新しい産地と言えます。環境面への取り組みにも力を入れており、環境保全型農法や有機農法の推進を積極的に行っています。99%以上のボトルワインにスクリューキャップが使用されていることも大きな特徴の一つです。

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白ブドウ、黒ブドウともに様々な品種が栽培されていますが、白ワインではソーヴィニョン・ブランが栽培面積でも生産量でも圧倒的に大きく、他品種と大差を付けての第1位となります。また、ニュージーランドでは、ワインの全販売量の8割以上を輸出が占めており、更にその輸出量の8割以上をソーヴィニョン・ブランが占めていることからもニュージーランドのソーヴィニョン・ブランが世界中から愛されていることがよく分かります。さわやかな柑橘類や、爽快感のあるハーブの香りに、トロピカルフルーツのニュアンスも持つニュージーランドのソーヴィニョン・ブランは、もちろん日本でもとても人気があり、和食と合わせてもおいしいワインです。

赤ワインの注目はピノ・ノワールです。ピノ・ノワールと言えば、真っ先に上がるのがフランスのブルゴーニュですが、冷涼なニュージーランドではそれに匹敵するような素晴らしいワインが造られています。更に、すっかり高くなってしまったブルゴーニュに比べ、価格の面でもまだまだお手頃です。エレガントで華やかな中に果実の凝縮感が感じられる柔らかなワインです。親しみやすく、日本の家庭料理とも相性の良いニュージーランド産ワインを是非ご家庭でもお楽しみください。