干場義雅が選ぶ旅の必需品 Travel Story Volume.4 『FORZA STYLE』編集長として、またファッションディレクターとして活躍する干場義雅が、旅のストーリーとともに旅の必需品を語ります。

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干場 義雅

干場 義雅監修
『FORZA STYLE』編集長/ファッションディレクター

プロフィール

数々の雑誌の編集者を経て、『LEON』の創刊に参画。「モテるオヤジ」「ちょい不良(ワル)」など一大ブームを作る。その後『OCEANS』を創刊し、副編集長兼クリエイティブディレクターに。フジテレビ『にじいろジーン』、テレビ朝日『グッド!モーニング』、日本テレビ『ヒルナンデス』など、テレビ番組でもおなじみ。船旅を愛する男女誌『Sette Mari(セッテ・マーリ)』の編集長として、また現在は、講談社のウェブマガジン『FORZA STYLE』(http://forzastyle.com)の編集長として活躍。著書に『世界のエリートなら誰でも知っているお洒落の本質』(PHP)、『一流に学ぶ色気と着こなし』(宝島社)、『干場義雅が教える大人カジュアル 究極の私服』(日本文芸社)がある。新聞、テレビ、雑誌、ラジオ、トークショー、イベントなど、その活動はメディアの枠を越えて多岐に及ぶ。

自分のスタイル(型)を決めれば
必要なアイテムが見えてくる

平日はもちろん、土日も休み無く働いているので、どうしても仕事の時は僕のトレードマークであるミディアムグレーやミディアムネイビーのスーツスタイルが多くなります。

スーツの柄は、ほとんどが無地。あってベーシックで地味なストライプか、無地に近い細かなチェック。素材は、ストレッチが入っているものもありますが、ほとんどがウール素材です。季節によって、ウール、サマーウール、シルクウール、ウールリネン、コットン、サキソニー、モヘア、フランネル、フラノ、カシミアなど、素材を変えています。カタチは、ベーシックなシングルの3ボタンの段返りか、ダブルブレステッドなら6ボタンの4つがけ。

シャツは、ストレッチが入っているものもありますが、ほとんどがコットン素材です。色は、白か淡いブルーで、柄は無地。デザインは、セミワイドスプレッドの襟で、シングルカフ。ネクタイは、黒かネイビーかグレーの無地。ほとんどが7cmの幅で、季節によって、ウール、シルク、リネン、コットン、フランネル、カシミアなど、素材を変えています。

全て色もカタチもほとんど同じなので、パッと見は同じように見えますが、見る人が見ると、素材が違うことがわかります。

スーツはユニフォームとして捉える

言って見れば、僕の場合はスーツもシャツも、ネクタイもユニフォーム。自分が一番快適にいられる、そして一番自分が自信を持っていられるスタイルというものが、先程のラインナップでのコーディネートなのです。
長年、洋服を着ることを経験してきた僕は、なるべく色やデザイン、バターンを絞ることで、自分のスタイルを決めることを思いついたのです。絞り込むことで、余計なことを考えなくなります。余計なことを考えなくなると、時間が出来、仕事に没頭出来ます。

例えて言うなら、仕事のためのスーツって、中学生の頃に着た学生服みたいなもの。制服みたいなものなのかもしれません。英国が作った、昔からあるスーツの装いのルールに従って、正しく着つつ、さらに自分でいろいろと制約を設け、絞り込むことで、難しくなくなるのです。

カジュアルはルールがないから難しい

スーツスタイルは、ジャケット、揃いのベストとトラウザーズを着て、その下にはシャツを着て、首にはネクタイを締める。足元は、スネを見せずにロングホーズと呼ばれる長い靴下を履いて、ヒモの革靴を履く。腕時計の革のストラップと、ベルトと、靴と、鞄の色は統一する。最後に、白い麻のポケットチーフを胸のポケットに挿す。おおよそ、スーツの着こなしというのは、これで完成する。これは世界のどこに行っても通用するスタイルですし、スーツを着ていれば世界のどこに行っても恥ずかしくなく、仕事がデキル男としてみなされるのです。

ところが、ここで問題になってくるのがスーツを着ていない時のスタイル。カジュアルなスタイルについてです。カジュアルスタイルは難しい。なぜなら、スーツやタキシードのように、着るべきものが明確に決まっていなく、厳格なルールがあるわけではないからです。そもそもカジュアルという言葉は、ラテン語から来ていて「偶然の、何気ない、意図せずに」といった意味があります。英語としては「その時々の、臨時の、不定期の」という意味として使われ、世界的な服装のカジュアル化に伴い使われるようになっていきました。「偶然の」ということは、必然の反語です。必ず着るべきルールがないということは、ある意味、自由ということ。僕が12年前ぐらいに読んだ服飾評論家の落合正勝さんの『男の服装術 カジュアル編(PHP研究所)』には、冒頭部分にそんなことが書かれてありました。

そういうときはマイルールを決めればいいんです

カジュアル=自由ということは、基本的には何を着てもいいし、好きなものを自由に着ればいいのです。でも、だからこそ難しいし、センスも問われるのです。そして、世の人々は「カジュアルは何を着ればいいのか?」と頭を悩ませるのです。ルールがないなら、スーツの時に決めたように、自分で自分なりのルールを決めればいいんです。

例えば、「多くの粗悪なものより、少しでいいから良いものを」。「移り変わる流行より、普遍的で美しいものを」。「長く愛用出来るものは高価なものでも、日用品はコストパフォーマンスのいいものを」。「洋服を着る前に、まずは中身を磨くことや健康から」。「中身を際立たせるために、洋服は普通でいいのよ普通で」。「ひとりよがりではなく、TPPOをわきまえ常に一緒にいる人が心地良く感じられるスタイルを」……。これらのルールは、カジュアルスタイルに限らず、スーツなどのドレススタイルにも共通する根幹の部分です。こういう自分のスタイルのベースになる考え方を持っておくと、ルールがないカジュアルなスタイルでさえも、ブレずに自分のスタイルを形成することができるのです。

大切なのは、マイルールとTPPOS

まずは僕のルールをご紹介します。僕の場合は、Tシャツのようなカットソーは、たいてい白か黒のモノトーンの、普通のものと決めています。Tシャツだって、色も柄も、デザインも、いろいろあるから悩むんです。ネックのカタチも、丸首のクルーネックもあるし、Vネックやポロシャツ型もある。Vネックは、自分の顔の大きさに似合うVの深さというのもあるので、似合わないようだったら取り入れないようにしています。とにかく色も、デザインも、自分に似合うか似合わないかが重要。そして、あとは、TPPOSを考えることが重要です。TPPOSとは、Time(いつ)、Place(どこで)、Personal(誰と)、Occasion(どんな目的で)、Style(どんなスタイルで)。これを考えることで、カジュアルスタイルにも制約が生まれます。

例えば、休日、どこか散歩に行くなら、丸首のTシャツでもイイかもしれませんが……。ゴルフに行くなら、やっぱり襟がついていた方がイイ。そうなるとTシャツよりもポロシャツを選択するようになるのです。

エコラグ的な価値観も大切

白いシャツやTシャツは、常に白いまま着たいんですよね。やっぱり、汚れたり、黄ばんだりするので。そうなると、複数枚持つのがマイルール。白いTシャツは、同じものを5枚ぐらいまとめて買うのが干場流なんですが、そうなると1枚3万円するような高級なTシャツを持つより、コスパの高いTシャツを数枚持つ方がいいんですよね。消耗品は、コスパの高さを求め、その分腕時計や靴など、長く愛用出来るようなものにはお金を使う。それが、僕が提案している「エコラグ」という考え方。わかりやすく言えば、メリハリのあるお金の使い方。誰でも湯水のようにお金があるわけではないですからね。だからこそ、コストパフォーマンスの良いアイテムを見つけると、僕はまとめ買いするのです。

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おすすめのカットソーはスリードッツ

ということで、ここからは、ANAショッピング A-styleで出会ったおすすめのアイテムをご紹介します。それが、スリードッツ。1995年にロサンゼルス生まれ、心地良いフィット感と着心地を追求しているアイテム作りで、ファッションピープルやLAのモデル達に支持されているブランドです。スリードッツの名前の由来にもなっているドットには、3つの意味が込められています。1つ目は、ピュア。シンプルで洗練されていること。2つ目は、エフォートレス。自然体でいられる気持ち良さを追求していること。3つ目はラグジュアリー。最高の素材からくる上質感を提供すること。

どのカットソーも、とにかくこだわっているのが素材です。「Josh」はリングスパンコームドコットンという強くて長い繊維質で、しっとりとした手触りだから、とにかく着ていて気持ちが良いのが特徴。わかりやすく言うと、とっても柔らかな着心地なのです。自宅で洗っても簡単にヘタレないのもオススメポイント。デザインは、とにかくシンプルで美しく。一枚で着ている時でも格好良く見えるように、首の空き加減、リブの太さ、袖の長さ、胴回りの大きさ、着丈の長さなど、すべてのバランスにこだわっているのも見逃せません。色は、いろいろありますが、僕が着るのは、Tシャツでも、ポロシャツでも、カットソーでも、たいがい白と黒の2色で、もちろん無地。Tシャツの着方は人それぞれ好みがあるので、マイルールに従ってくださいね。ちなみに僕は、ピッタリ着るように、白が3枚、黒が2枚は、Sサイズで。大きめに着るように、白が2枚、黒が1枚は、すべてLサイズで一気にまとめ買いしています。

同じ色のTシャツでも、サイズを変えて購入するなんていうのもアリ。ピタッと着るSサイズと、ゆったり着るLサイズ。タイトなTシャツにはボリュームのあるボトムス。ゆるっと大きめのTシャツには細身のパンツなど、ボトムに合わせて、サイズ違いのTシャツを用意しておくと、着こなしの幅も広がりますよね。Tシャツ選びで大切なのは、なんといってもサイジングです。やっぱりカラダのラインが出ますからね。暖かくなるこれからの季節、ぜひカラダを鍛えて格好良くカットソーを着て下さいね。まとめ買いしたくなる大人のカットソーをお探しの方、ぜひ試してみては。

Volume.4

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L.A.生まれのスリードッツは、フィットとクオリティを追求したプレミアムカットソーが原点。ブランド名とロゴには、pure(シンプルで洗練されていること)、effortless(自然体でいられる気持ちよさ)、luxury(最高の素材からくる上質感)の3つの意味が込められています。

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George ポロシャツ

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ゴルフやオフィスカジュアルで活躍する衿付きタイプ。なめらかな肌触りでリラックスできる着心地です。

¥18,700(税込)

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首の詰まったクルーネックTシャツは大人のコーディネートに映える1枚。ジャケットインはもちろん、1枚で着用してもスマートです。

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Keith VネックTシャツ

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上品な開きのVネックTシャツは休日カジュアルにぴったり。顔周りをすっきりと見せてくれます。

¥9,900(税込)

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