ボルドーはフランス南西部に位置する都市で、ブルゴーニュと人気を二分するワイン銘醸地です。
ジロンド川、ガロンヌ川、ドルドーニュ川、三つの川の流域に広がる産地で、ガロンヌ川とジロンド川の西側の左岸にはポイヤックやマルゴー、ドルドーニュ川とジロンド川の東側の右岸にはサンテミリオンやポムロール、ガロンヌ川の上流には貴腐ワインで有名なソーテルヌがあり、バラエティに富んだ質の高いワインが生産されています。
ボルドーワインにはいくつかの格付け制度が存在します。
中でも、1855年のパリ万博の際に制定されたメドックの格付けは有名で、1級に君臨する「5大シャトー」はワインをご存じない方でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
1級から5級まで61のシャトーが存在し、一度の例外を除き1855年以来更新されていません。格付けに対しては賛否ありますが、ボルドーワインをより権威的、魅力的に感じさせる要素の一つと言えます。
ボルドーでは赤、白、ロゼ、スパークリング、甘口と魅力的なワインが幅広く生産されていますが、生産量の多くを赤ワインが占めています。
単一品種で造られるブルゴーニュワインとは対照的に、ボルドーでは複数の品種をブレンドしてワインを造ります。
主要な品種はカベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、カベルネ・フランなど。左岸も右岸も使われる品種は同じですが、比率が異なります。
左岸はカベルネ・ソーヴィニョンの比率が高く、しっかりとした渋みがある力強いタイプ。
対する右岸はメルロが主体で、渋みは比較的穏やかで、エレガントなタイプと言えます。
- A-styleワインアドバイザー
- 佐藤ソムリエ
<プロフィール>
都内の星付きフレンチ、ラグジュアリーホテルで経験を積み、2017年から2022年9月までシェフソムリエとしてANAインターコンチネンタルホテル東京に在籍。
(社)日本ソムリエ協会認定ソムリエ・エクセレンス